2002年5月
ビールの看板を通り過ぎた辺りには、赤茶色をした煉瓦造りの塀が続き、大きな黄色い洋館が何軒か建っていて、中国の原風景と混在した何ともエキゾチックな街並みだった。
途中で降り出した雨のなか、広い庭つきの洋館が建ち並ぶ八大関景区や、花石楼と呼ばれるヨーロッパ中世の小城のような洋館を見て歩く。
白いビーチが幾つも広がり、塵ひとつない清潔な街並みは、どこに行っても観光客がいっぱいで活気に満ちていた。
チンタオの街のスケールは、アモイとは比べものにならない。随所に残されたヨーロッパ風の建物は変化に富み、近代的な大都会のなかに不思議に溶け込んでいるが、それでもやはり租界時代の影響の大きさといったものをより強く感じずにはいられなかった。
スタッフが教えてくれたように、アモイもチンタオも美しい海辺の街であった。
しかし私は、鄭成功が清に抵抗したアモイの歴史、鼓浪嶼の海峡のあるアモイの小さな風景に、より強い哀愁と魅力を感じたのだが、太陽いっぱいのチンタオを見ていたら、また違う印象を持ったのかも知れない。
「南京好日」より抜粋。
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