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中国紀行|桂林

(悠然たる桂林の清流-1/3)

2001年1月
 

海外から中国にやって来る旅行者にとって、景勝の地としてもっとも人気あるスポットのひとつは桂林ではないだろうか? 私もずいぶん昔から名前を知っていて、この地を最初に訪れたのも、南京に赴任する前のことであった。

この章で取りあげる幾つかの観光地のなかで、欧米人の旅行者にもっとも多く出逢ったのも、やはり桂林だった。よく「桂林山水甲天下」と称されるのは、もっともなことかも知れない。ここでいう「甲」は「第一の」と同意語で、桂林の山水は天下一である、といったような意味になる。

           
桂林1
桂林2

桂林は、広西壮族自治区にある。
南嶺山脈の西に広がるカルスト地帯で、北緯25度、東経110度に位置し、緯度では沖縄と宮古島の間、経度では海南島あたりに相当する。

桂林の飛行場に降り立つと、滑走路の遥か先の方には、早くもあの釣鐘を伏せたような独特の山影がひとつふたつ、墨絵のように霞んで見える。旅行案内書や写真集などでお馴染みの、あの山の形だ。

二度目の桂林訪問は、ちょうど中国の春節(正月)で、桂林シェラトンにチェックインしたときに、桂林旅行のハイライトである漓江川下りについて尋ねると、ホテルでツアーを受け付けているという。

朝8時にホテルを出発、夕方まで船で漓江を下り、6時過ぎにホテルに戻るツアーコースがあり、バス、船そして昼食の手配はすべてホテルが行うとの説明に、さっそくその場で申し込んだ。

ホテルの部屋から
           

ホテルは、旧市街の東端を北から南に悠然と流れる漓江に面している。漓江のさらに東側には、市内最大の七星公園がある。ホテルの部屋の窓からは、この公園が正面に見え、駱駝の瘤が幾つも並んでいるような駱駝山や七星岩が一際異彩を放ち、桂林にやって来たという実感が湧いてくる。

翌朝8時前にロビーの集合場所に下りてゆくと、すでに十数人の観光客が色とりどりの派手な服を着て、楽しそうに笑い声をあげている。驚いたことに私以外のツアー参加者は、一組の台湾人を除きすべて欧米人であった。

           

船着場に向うマイクロバスには、若いガイド嬢が添乗していた。時どきジョークを飛ばしたりして、なかなか流暢な英語で桂林の歴史などを披露し、観光気分を盛り上げてくれる。
いよいよ船着場に到着し、船に乗り込む。二階建ての大きな船で、7‐80人は乗れるだろう。我われホテルからのグループは、全員アッパーデッキにある小さなキャビンが割り当てられた。

  漓江の船着場
                         
桂林3  

汽笛が鳴り、船は川下に大きくカーブを描いて動き出した。
漓江の水量は豊富で、ゆったりと流れている。川底には長さ1‐2メートルはありそうな細長い水草がびっしり生えていて、流れにゆらゆらと揺れている。桂林から下流の終着点、陽朔までは80キロほどあるが、朝マイクロバスに乗って来た分を差し引くと、船旅は4‐50キロほどになるのだろうか?船が川下に滑り出して程なく、前方の両岸にあの独特の形をした山々が見えてくる。

我われのグループには陽気なアメリカ人が何人かいて、もう喧しくて大変だ。ワーッと歓声をあげてキャビンを飛び出し、デッキの手すりに乗り出して、左右に連なる天工の造形にカメラを向ける。

(続く)

 
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