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(悠然たる桂林の清流-2/3)

 

石灰岩の風化と侵食によるものだということは分かっていても、どうしてこんなに不思議な形になるのか理解ができない。左右両岸に広がる岩山の、何とも摩訶不思議な造形美にしばらく言葉を失った。

基本型はあの釣鐘を伏せたような形状だが、前後左右どれをとっても趣が違う 。現地の人は漓江のこの川下りを「百里漓江、百里画廊」と讃えるが、言い得て妙である。

 
昼食で停泊

シェラトンツアーグループの興奮まだ冷めやらぬうちに、少し平地の開けた小さな集落に着き、船は停泊した。船中で昼食をとったあと、上陸して鍾乳洞見学に出かけるためだ。

岩盤を削り取ったような階段混じりの細い山道を、川面から5‐60メートルほどの高さまで登ってゆくと、漓江のゆったりした流れが、視野いっぱいに広がる地点を通り過ぎる。

                         

鍾乳洞に向う山道は川の東側にあるので、北から下ってきた漓江が、ちょうどこの地点で大きく西に流れを変えてゆくパノラミックな景観が一望できる。記念写真を一枚だけ撮るとしたら、この場所だろう。

   
  鍾乳洞の入り口で電動の無蓋車に乗り込んでしばらく奥に下り、そこから順路に沿ってガイドの説明を聞きながら歩いて進む。
   
内部の景観は桂林だからといって特別なものはなく、日本で見る多くの鍾乳洞と変わらない。順路の最終地点に着くと、遥か底の方までぽっかり空いた大きな暗い空間があり、地下水が広がっていて船着場になっている。

長くて急な石段を観光客の列に連なって降りてゆき、ひとりひとり懐中電灯を手渡されて6‐7人乗りの小船に乗り移った。
 
                         

やがて周囲の照明は完全になくなり、乗客は手にした懐中電灯を照らしながら、 漆黒の洞窟を小船がゆっくりと進んでゆく。前後の船の乗客の手元から発する懐中電灯の小さな光がくるくる回って、照らし出された岩壁で洞窟の広がりが分かる。この船の到着したところが鍾乳洞の出口になっていて、なかなか気の利いた演出だと思った。

 
それにしても「百里漓江、百里画廊」は紛れもない事実なのだが、半日以上も時が経つとさすがに興奮も続かなくなる。
 

 

賑やかだったアメリカ人のグループは、アッパーデッキの手すりに凭れかかって、静かになってしまった。

何人かはキャビンに戻って、読書を始めている。下の大キャビンに降りてみると、トランプに打ち興じているグループや、すっかり寝込んでしまった人などいて、朝の興奮が嘘のようである。

                         

終着点陽朔から2時間近くマイクロバスに揺られて、ホテルに戻ったのは6時をすっかり回っていた。ホテルには生憎日本食レストランはなかったが、落ち着いた街の雰囲気が気に入ったので、外に出て夕食をとることにした。

風呂ですっかり温まりホテルを出ると、漓江に沿って濱江路が目の前を通っている。濱江路を横切ると、もうそこには漓江のゆったりした流れがある。空を覆う街路樹の並木を北に向かって歩いてゆくと、そのうち解放橋にぶつかる。旧市街の中心から、七星公園に通じる橋である。すでに夕闇が迫っていたので橋で引き返し、途中で目に止まった構えの立派なレストランに入った。

メニューの漢字も頼りにしながら注文する。ビールと皮蛋、ゆでたほうれん草をニンニクの潰し汁でサッと炒めた青菜や蒸し海老、湖南風の辛めの挽き肉と野菜の炒め物など、ひとりで食べきれないくらい注文して60元。地元の人ならびっくりするほどの、豪勢な食事だったに違いない。

(続く)

     
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