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中国紀行|桂林

(悠然たる桂林の清流-3/3)

2001年1月

象山公園

桂林の旧市街は南北に細長い矩形をしていて、東と南側は川、そして西側は幾つかの細長い湖で、ぐるりと取り囲まれている。

宿泊していた桂林シェラトンは、旧市街の細長い矩形の南東にあり、ここから漓江の清流に沿って濱江路をさらに南に歩いて行くと、爛漫と花咲き乱れる象山公園に着く。

公園内には、冬だというのに観光客で溢れていた。観光客との写真撮影に応じてくれる少数民族の若い女性たちは、赤、ピンク、ライトブルー、紺、緑など超極彩色の郷土衣装を身に纏って、愛嬌を振りまいている。

立ち並ぶお土産の店も、色とりどりの品揃えで、一月の春節、結構肌寒いのだが、典型的な南国の観光地の風景に、すっかり華やいだ気分になった。

少数民族の女性
広西師範大学

ちょうどここが、西から東に向かって流れて来た桃花江が漓江に合流している地点で、旧市街の南東の角にあたる。そこからタクシーに乗って、旧市街中央部の古城跡に向かった。

城内にある広西師範大学のキャンパスの中に入ってゆくと、突き当たりに独秀峰という釣鐘状の岩山が、その名の通り四方を睥睨するかのように聳え立っている。

岩山の登り口には食堂やお土産を売る店が軒を連ね、客を呼び込む売り子の声が響き渡る。

岩山の高さは7-80メートルほどだろうか?

垂直にそそり立った岩壁にへばりつくように、石段が急角度に上へ上へと伸びている。

これも運動、体のためと言い聞かせて、一歩一歩踏みしめるように登った。

頂上まで辿り着くと、風が結構強いのに気づく。幸い晴れ渡っていて、桂林の町の周辺が一望できた。旧市街から遥か遠方には多くの釣鐘状の山々が幾重にも連なっていて、遠近の差がそのまま山々の色合いに微妙な濃淡をつくっている。

何とも不思議な、そして何とも静謐な、墨絵の世界だった。

独秀峰
ミドルバー

すっかり安らかな気分になって岩山を下り、ホテルの方向に戻って来ると、前夜にやって来た解放橋に辿り着く。橋の上は人の往来が絶えないが、さすがに観光客らしき人は見当たらない。皆地元の人びとである。決して裕福な地域ではないので、行き交う人の身なりもみすぼらしい。

地元の人びとの真っ只中でたったひとり。観光客の私が橋を渡っているのだが、彼らの顔つきはとても穏やかで泰然として、異国の人に囲まれているという不安を、些かも感じることはなかった。

長い橋を渡って対岸の土手を伝い、川面に下り立った。漓江の水は澄んでいる。子供のころ遊んだ、人の手の入っていない情景がここにある。

またやって来たい、そう思わせてくれる街である。漓江下りは十分堪能させてもらったので、今度は蘇州旅行のときのように自転車を借りて、ゆっくりと街の隅々まで足跡を残してみたいと思う。

「南京好日」より抜粋。

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