2009年4月
最後の目的地厳田は、最初に購入した指紋検出カードの周遊コースに含まれていない。彩虹橋からは、車で30分ほどのところにある。ここの売り物は、県内最古の樟(くすのき)で、樹齢1,500年以上といわれ、幹の周り14メートルの巨木である。
1,500年前というと、中国では南北朝の時代。日本ではまだ文字がなかったから、記録は何もない頃である。そんなことを思い浮かべながら巨大な古木を見上げると、感動せずにはいられない。

樟は、樟脳の原料として古くから珍重されており、蚊などの虫よけ効果もあることから、ブ源には多く植えられている。
この巨木の脇には清流が流れ、ここでも例の筏が係留されていた。
乗りついでである。ここでも筏に乗って、しばしの時を過ごす。
ぼんやり樟の古木を見上げながら、往時を偲んでいると、岸辺にいた観光客から「幾らですか?」と声がかかった。
しばらく聳え立つ樟の巨木を眺めたあと船着場に戻ると、さきほどの旅行客が待っていて、私の次に筏に乗り込んだ。やっぱり物好きな人は、いるのである。
こうして、1日半のブ源旅行は、天気予報どおり快晴に恵まれ、何とも素朴で悠久の歴史を感じさせてくれる古村の情景を、心置きなく愉しむことができた。夕方景徳鎮に着いた頃は、太陽はすでに雲隠れて薄暗くなっていたが、あとは食堂車で夕食をとって、眠るだけである。
敢えて補足させていただくと、南京に戻った日曜日は、案の定、朝から小雨の降り続く一日だった。
(終わり)
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