2002年2月
やっとの思いでリフトに乗り込み、高原の入り口に着く。そこからは、分厚い板を枕木のように敷き詰めた細い林道が、欝蒼とした針葉樹林の中をどこまでも続いている。
鳥の羽を頭に飾りつけ、赤いマントを羽織った少数民族が工芸品を売る露店を通り過ぎると、急に視界が開けてぽっかりと広がった空間に、雲杉坪と玉龍雪山が間近に迫ってくる。
強い紫外線が降り注ぐ群青色の空はあくまで青く、先の尖った高峰からは、雪にも負けない真っ白な雲が湧き上がっている。
すっかり元気になって、小一時間ほど草原を散策し帰路につく。
降りるときは登りほどではなかったが、それでもリフトでは1時間近く待たされた。
予定時間より大幅に遅れて街に戻り、例の回転レストランで運転手に夕食をご馳走したあと、急いで飛行場に向かわねばならなかった。
もうひとつの見どころだった文化遺産の旧市街は、レストランから黒い屋根を眺めるだけで時間切れになってしまったが、昆明、大理そして麗江と、歩みを進めるごとに山深くなり、素晴らしい感動があった。
特に麗江には、歩き回ることのできなかった世界文化遺産の旧市街のほかに、深い谷底に濁流の渦巻く虎跳峡、長江《雲南省内では金沙江と呼ぶ》がヘアピンカーブを描いてパノラミックに流れを変える長江第一湾など、さらに多くの雄大な自然があり、未知の魅力が盛り沢山の観光スポットだといえるだろう。
「南京好日」より抜粋。
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