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江南の街道・

鎮江(ちんこう)

 
 

鎮江市は南京市の東隣りに位置し、市街区の人口が100万人ほどのこじんまりした街ですが、ちょうど対岸の楊州(ようしゅう)との渡航連絡経路にあたり、古来、交通の要衝として発展してきました。

遠く三国志の時代には、呉の孫権がこの地に京口(けいこう)という町を建設、劉備との連盟の契りを結んだとき、剣を石に刺して曹操との戦いの行方を占ったゆかりの地でもあります。

                           
鎮江1   鎮江2      
(金山の江天禅寺境内)
(北固山にある尾根伝いの遊歩道)
       

鎮江は史跡の多い街で、1986年には国家級歴史文化都市に指定されました。いたるところに古い建物が残され、工業化が進んだ街とは一味違う落着きがあります。また、伝統産業としての黒酢造りは有名です。

                   

旧英国領事館を改装した鎮江博物館の裏手には、宋代の趣を今に伝える西津渡古街(せいしんとこがい)が残されており、鎮江の古い歴史を感じとることができます。

また、「大地」で一躍有名になったノーベル賞作家パール・バックは、宣教師の子として少女時代をこの地で過ごしており、石畳の曲がりくねったダラダラ坂の上には、彼女の住んでいた大きな洋館が保存されています。

鎮江3
(鎮江博物館)
                   
鎮江4

鎮江行政区は丘陵地帯が半分以上を占め、長江沿いにも幾つかの小山があります。とくに金山(きんざん)、北固山(ほくこざん)、焦山(しょうざん)は「三山」と呼ばれ、景勝の地となっています。三山のなかで金山は「金山を見なければ、鎮江に来たとはいえない」と語り継がれた名勝の地で、康熙帝(こうきてい)ゆかりの碑文や、天下第一泉などを目にすることができます。

また、金山は杭州(こうしゅう)の西湖(せいこ)と共に、中国に広く伝わる白蛇伝説の舞台としても有名で、金山寺の僧にかくまわれた夫を取り戻すために、寺を水で沈めようとした白蛇姫の話しは、京劇でも演じられています。

(北固山の鉄塔)
 
鎮江5

金山の東には、北固山に立つ甘露寺(かんろじ)があり、劉備が孫権の妹と縁組をした寺として知られています。天下第一江山とも呼ばれるこの山には、唐の時代に創建された古い鉄塔が建ち、阿部仲麻呂の「望月望郷の詩碑(天の原ふりさけ見れば春日なる、三笠の山に出でし月かも)」があるなど、なかなか趣のあるところです。

                 

北固山から更に東に向かうと、焦山があります。鎮江沿岸ではもっとも高い海抜71メートルの小島で、ロープウェイで長江を渡って、山頂に建つ瀟洒な万佛塔(まんぶつとう)に登ると、眼前には長江の中洲が遥か彼方まで広がり、そのスケールの大きさに圧倒されます。

(焦山定慧寺と山頂の万佛塔)
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