展示品のなかで、とくに興味をそそるのは、俑(よう)と呼ばれる女性像です。
太古の中国では、死の世界でも生き続けると信じられ、権力者が死んだときには、寵愛を受けた宮女などが殉死する習慣がありました。
漢代のころからは、殉死という残酷な風習を避け、人をかたどった人形(俑)を、殉死の代わりに死者とともに埋葬する方法も始まったといわれています。
ここに展示されている、六朝時代の南京の俑は、なかなか味わいがあります。唐代の太った女性の俑と違って、ちょっと細身ですが、髷(まげ)の形がいろいろあって、人の審美眼も時代とともに、こうも変わるものかと考えさせられてしまいます。
六朝のコレクションの他にも、南唐二陵からの出土品、鄭和の大航海の船が作られた造船所跡からの木片類、明代の城壁に使われていた石垣の実物など、貴重な遺物を目にすることもできます。
また、近代中国建国の父といわれる孫文に至るまで、南京の歴史を通覧することができ、まったく目立たないわりには、なかなかインフォーマティブな博物館だといえるでしょう。
(2008年2月)
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