(東渡苑景区)
「天の原 ふりさけみれば春日なる 三笠の山に 出でし月かも」
この歌で有名な阿部仲麻呂は、遣唐使船で中国に留学し、日本人としてただひとり、中国人でさえ難関の科挙試験に合格した類い稀なる秀才でした。
彼は玄宗皇帝に認められ、側近の高級官僚に登りつめ36年もの長きにわたり中国に滞在、中国を去るにあたって詠んだのが、冒頭の歌だといわれています。
古今和歌集に、「この歌は、中国の明州《現在の寧波》で詠まれた」との脚注があることから、阿倍仲麻呂が帰国の途についたのは寧波と信じられてきましたが、1,000年以上の歳月を経てこの説は覆り、長江下流の黄泗浦(こうしほ)だと特定されました。
また、阿倍仲麻呂が帰国するとき、同じ船団には鑑真和上も乗船しており、黄泗浦は、後世に名を残した日本人と中国人の、不思議な出会いの場であったともいえるでしょう。
(東渡苑景区にある遣唐使船の模型)
(東渡苑景区内の照壁)
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