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中国の世界遺産・明孝陵

 

明清の時代は、「厚葬以明孝(孝をもって厚く葬る)」、「事死如事生(死とは生まれる事の如し)」という礼の考えが支配的であったといわれています。その一方で、社会経済の発展とともに建築技術が向上し、瓦や煉瓦などの建材の大量生産が可能になり、陵墓もより大規模なものが建設されるようになっていました。

明孝陵入口

明の太祖朱元璋の陵墓、明孝陵(ミンシャオリン)は、このような時代の黎明期に建設されたもので、それまでの陵墓とは大きく異なる点が幾つかあります。

とくに、墳墓の形が従来の方錐型から円型に変わったこと、寝宮(棺が安置される部屋)が廃止され、建築技術の進歩で祭殿が多く建てられるようになったこと、陵墓の規模が以前より格段に大きくなったこと、などが挙げられます。

(明孝陵の入り口、奥に明孝陵文武方門が見える)
この新しい形式は、そのまま清代に引き継がれ、明清500年の陵墓様式の先駆けとなりました。
     

明孝陵は、南京市
郊外の紫金山南麓
にあります。

この陵墓は朱元璋
の存命中に建設が
始まり、俗に「十万
軍工」伝えられてい
るように、三代目の
永楽帝の時代にな
って朱元璋の功績
を讃えた四方城の
碑文が完成するま
で、実に32年もの
歳月が費やされま
した。

  明孝陵下馬坊   明孝陵四方城
(下馬坊公園) (四方城)

参拝する人びとは、陵墓に近づくと乗ってきた馬から下りねばなりません。その場所は下馬坊(馬から下りる区域)と呼ばれ、門柱などが復元されています。馬を下りたあと、参道に向かいます。参道は総延長1.8キロほどありますが、起点となる大金門をくぐってすぐ先には、亀の石像の上に石碑が設置された碑亭があります。石碑は高さ9メートルにも及ぶ巨大なものですが、上部は破損してなくなり、四周を取り囲む壁だけが残されているため、後に「四方城」と呼ばれるようになりました。

       
       
明孝陵石像路1 明孝陵石像路2
(石像路−象座像)
(石像路−ラクダ立像)
明孝陵石像路3

四方城から西に向かうと、左右に6種12対の石像が配列された、有名な石像路(シーシャンルー)が東西に連なっています。手前から、獅子、想像の動物カイチ、ラクダ、象、麒麟、馬の順に立ち並び、広大な版図を持って栄えた往時の中国を偲ぶことができます。

石像路を通り過ぎると、参道は大きく北に方向を変え、「翁仲路」と呼ばれる小道につながっています。

(石像路−ラクダ座像)

この小道は梅花山を回り込むように配置され、4対の武将と文官の石像に守られて、明孝陵へと続いています。

                           
明孝陵翁仲路   孫権の墓標
(翁仲路)   (孫権の墓があったことを示す墓標)
                             
 

石像路の北側に位置する梅花山には、三国志時代の呉の孫権の墓があったため(但し、現在は消失しています)、このように大きく西に迂回して参道が作られたと伝えられています。

                             
明孝陵文武方門

参道を通り過ぎると、三つのアーチ型の門を持つ、朱塗りの明孝陵文武方門が見えてきます。 この門から先が陵の本体をなす部分です。

朱元璋の死後、二代目皇帝の恵帝は「孝陵衛」を設け、実に5,600名もの用兵が明孝陵保護のための任務についていたといわれ、清の時代に入っても、康煕、乾隆の二帝が明孝陵をたびたび拝陵するなど、手厚い保護策が講じられました。

(明孝陵文武方門)
                 

しかし大変残念なことに、清末に起こった太平天国の乱で、陵内の西配殿や東配殿そして亨殿などは、すべて崩壊してしまいました。

陵の一番奥には朱元璋の墳墓を守るための「宝城」と呼ばれる高さ16メートルの城壁があります。城壁内の小さなトンネルに設けられた54段の階段を上り詰めると、城壁の上に皇家専用の朱塗りの建築物が残っています。

                 
明孝陵宝城1 明孝陵宝城2
(宝城)
(宝城の中のトンネル階段)

宝城の後方には、樹木ですっかり覆われた周囲約1,100メートルの、円形墓を目にすることができます。

           
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