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中国の世界遺産・武夷山

 
世界遺産武夷山1

福建省と江西省の間には、南北500キロに及ぶ武夷山脈が走っています。 武夷山はこの山系の北側に位置し、1999年、世界自然・文化遺産に登録されました。

世界遺産委員会は「中国東南部で最も著名な生物保護区であるとともに、九曲渓両岸の峡谷は秀美、唐宋の時代には理学発展の中心として栄えた良好な地理環境にある」とコメントしています。

(一線天風景区から武夷山系を望む)

ここでいう理学とは朱子学のことで、開祖朱熹はこの地で10年ほど過ごし、朱子学を体系化するとともに書院を開き、後進のために講義を行っています。

     

南北に長く伸びる武夷山系は、基本的に花崗岩などの火成岩で構成されていますが、武夷山のある辺りは、紅色をした砂礫岩で、表面は酸化して黒い色をしており、同じ奇岩で有名な桂林とは一味違った、独特の景観を作りだしています。

     

風景区は大きく「天游峰」、「九曲渓」、「大紅袍」、「一線天」の4つに分かれ、それぞれ趣の異なる自然景観を楽しむことができます。

武夷山風景区の中で「天游峰」は、最大の観光スポットといえるでしょう。この峰は九曲渓沿いに並び立つ岩山のひとつで、川面から垂直に200メートル以上の断崖が切り立っています。

  武夷山天游峰1 武夷山天游峰2
    (写真の手前側が天游峰)
     
武夷山天游峰3    

断崖の反対側には、岩を直接削って作った石段が設けられており、頂上まで登ることができます。

しかし、高度恐怖症の方には(私もそのひとりです!)大変なところで、傍らの手すりにしがみつきながら急角度に続く石段を這い上がってゆくのは至上の責め苦ですが、山側の岩壁にしがみつきながら見下ろす九曲渓一帯の景観は、やはり天下の絶景といえるでしょう。

(天游峰から九曲渓を望む)
天游峰と並んでこの地を有名にしているのは、「九曲渓」の川下りです。太い竹を8本並べて組んだ筏をふたつ繋ぎ合わせ、4人または6人の客が乗り、前後にふたりの船頭が川に竿差して、全行程10キロほどの清流を、ゆっくりと下ります。
武夷山九曲渓の川下り1   武夷山九曲渓の川下り2
      (九曲渓の川下り、この船頭は娘さん)                
     
     
世界遺産武夷山2   世界遺産武夷山3   鷹嘴峰という名の鷹に似た岩山、水簾洞というオーバーハングした岩壁から簾のように流れ落ちる水・・・  
深緑の遊歩道を伝って、黒い岩の間をくぐりぬけたり、石柱で作られた簡易橋で小川を渡ったりしていると、すっかり時の経つのを忘れてしまいます。

また、この風景区には「大紅袍(ターホンパオ)」があります。 大紅袍というのは、切り立つ絶壁の中腹にある狭い空間に生育している4株の茶樹で、「茶中之王」と呼ばれ珍重されている岩茶です。
周辺には黒い岩山が林立し、平地は殆んどないのですが、至るところ猫の額ほどの空間に茶樹が植えられています。また、歩道は石畳で整備されており、ピクニック気分で散策ができます。

     

「一線天」と呼ばれる
地域はあまり知られ
ていませんが、奇岩
巨岩が並び立つ、
一風変わった風景区
です。

とくに、ぴったりと寄り
添った二つの巨岩に
挟まれた根もとに、
僅かな空間があり、
そこから天を仰ぐと、
巨岩の隙間から一条
の外光が見えること
から、一線天の名が
ついています。

  武夷山一線天1 武夷山一線天2
(一線天と石段が設けられた狭い通路)

巨岩の根もとの空間は肩幅ほどの広さですが、先に進むにつれてどんどん狭くなり、途中から体を横向きにしないと通れなくなります。おなかの出すぎた人が通り抜けるのは、ちょっと無理かも知れません。

 
 
世界遺産武夷山3  

武夷山は、渓流下りや風変わりな景観が売り物ですが、もうひとつ、お茶の産地としても古い歴史を持っています。現在は、武夷岩茶というと高級茶として有名ですが、イギリスによって開発された紅茶のルーツも武夷山のお茶でした。

「武夷」は、中国語の発音(ウーイー)がなまって、英語でBOHEAと綴られます。このため、当時イギリスが輸入していた武夷茶を、日本ではボヒー茶或いはローマ字読みしてボヘア茶と呼んでいたようです。

(岩山の谷間に作られた茶畑)
     
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