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一度は訪ねてみたい街・

徐州(じょしゅう)

 
 
徐州1

司馬遼太郎の名作「項羽と劉邦」に、つぎのような記述があります。

「秦末、彭城(今の徐州)の町のことである。

この時代、この町は黄河の本流に面していた。黄河へ流れ込む幾筋かの細流が城内では両岸を石垣で堅牢に護岸されている。路に柳が植えられ、両岸に商舗がならび、水面には物産をのせた小船が、たえず往来していた。

この町にはさまざまな商人があつまる。金が落ちる町だけに、酒楼や妓楼が多く、また諸国からのあぶれ者たちもここにわらじをぬぐことが多かった。」

(獅子山ミニ兵馬俑)
   

当時、彭城(ほうじょう)と呼ばれた徐州は、項羽が秦の主都咸陽を落としたあと、遥か東方の生まれ故郷に近いこの地を、自らの居城と定めたところとして知られています。

当時まだ20代半ばだった若き項羽は、彭城に凱旋した数年ののち、劉邦に追い詰められ、「四面楚歌」の哀話を残して烏江(うこう)のほとりで命を絶ちますが、2200年も前の太古の昔に、歴史的大ロマンの舞台となった徐州は、やはり、一度は訪ねてみたい街のひとつだといえるでしょう。

       

徐州2

  徐州3  
(獅子山楚王陵)   (獅子山騎兵俑水中展示館)  
                   

1994-5年、この町にある獅子山で、前漢時代の楚王墓の大規模な発掘作業が行われ、盗掘の進んだ墓内から、金糸で編まれた玉衣が発見されたことで一躍脚光を浴びました。

この王墓の近くには、兵馬俑(へいばよう)博物館があって、高さ30センチほどのミニ兵馬俑や、騎馬俑水中展示館などを見学することができます。

また、市の北側にある亀山墳墓は、獅子山と同じ前漢時代の楚王と皇后が合葬された墓で、開削の左右の歪みが誤差1万分の1の精度だと測定された、56メートルの地下甬道(ようどう=通路)が、真っ直ぐに墓室へとつながっているのが印象的です。

  徐州4  
  (亀山墳墓)  

現在の徐州市は、江蘇(こうそ)省の北端に位置しますが、行政区の人口約900万の大きな町で、古くから商業の栄えた歴史が偲ばれます。市の北側には、交易の動脈ともいえる京杭(けいこう)運河が通り、黄河故道(川)が街を東西に横切っています。また、雲龍(うんりゅう)山に登ると、大きな湖や外周の山々が眼下に広がり、平べったい中原とは一味違った、徐州の街並みが一望できます。

       
徐州5

徐州6

(黄河故道)   (雲龍山のリフトから徐州市街を望む)  

雲龍山の北には徐州博物館があって、周辺の山などで発掘された漢代の遺品を中心に、玉衣など、充実したコレクションが楽しめます。

また、項羽の生地宿遷(しゅくせん)市や劉邦の故郷沛県(はいけん)、そして国士無双、背水の陣など多くの逸話を残した韓信ゆかりの淮安(わいあん)市など、徐州市周辺に点在する秦末の英雄の古跡を、訪ねてみるのもいいでしょう。

       
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