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一度は訪ねてみたい街・

永定(えいてい)

 
 
永定1    

永定という地名は、日本ではあまり知られていませんが、客家(はっか)の土楼(どろう)をご存知の方は、結構いらっしゃるのではないでしょうか?  

永定は福建(ふっけん)省の山間部にあって、著名な土楼集中地域ですが、国家歴史文化名城ではありません。ただし、福建省の土楼は、2008年世界遺産に登録された貴重な文化遺産ですので、ここに取りあげました。

客家は客人、よそ者というような意味で、中国では特殊な歴史を持つ人びとです。客家語が唐・宋代の古い発音を多く残していることから、彼らのルーツは、かつて中原から南部に移動した人びとの一部だと考えられています。

 
(大きな土楼の小さな入口)

戦乱を避けて、南部に移動してきた客家の多くは、山間部に新天地を求めましたが、これらの地域にも土着の先住民がおり、彼らとの衝突から身を守るため、土楼と呼ばれる集合住宅が考案されました。

現在の江西(こうせい)省と福建省、広東(かんとん)省が隣接する山岳地帯が、客家文化の中心地といわれ、とくに客家土楼はこの地域に集中しています。

     

永定2

永定3
(山あいの棚田と四角い土楼)
(振成楼)
               

永定4

現在でも永定地域の土楼の一部は、どうしてこんなに不便な所に?と首を傾げてしまうほど、人里離れた山間僻地にあります。

土楼内がひとつの客家社会として自己完結しており、1-2階は外部からの侵入を防ぐため窓がありません。排便も各部屋の前に桶があり、それがそのまま肥料に使われます。

私が泊まったところも、夜になったら

(土楼内部)

外門を閉めるので、それ以降は各部屋の前にあるポリバケツに小便をするようにと言われ、驚かされた記憶がありますが、これもご愛嬌。

全てを自己完結させ、自然と共に過ごす生活には、遠い昔の開放感があります。

楼内の土壁に囲まれた中庭の、何とも平和な空間に腰掛けて、初めて出会った旅行客と共に食事した楽しい思い出は、今も忘れることができません。

永定5

(土楼内の小さな庭)
         
永定6

永定には多くの土楼が集中しており、ここを訪ねるだけで客家の生活振りを十分満喫できますが、車で1時間ほど険しい山道を走ると、「アメリカの偵察衛星が、中国のミサイル基地と誤認し、ホワイトハウスに報告された」という初渓(しょけい)土楼があります。

また、さらに遠くまで足を伸ばせば、四角と円形の土楼がミックスされた、不思議な形状で最近売り出し中の、南靖(なんせい)土楼を目にすることもできます。

(初渓土楼
                   
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